オイルフィニッシュ その2|ギターへの具体的な施工方法
2026年8月8日
オイルフィニッシュ その2|具体的な施工方法
「オイルフィニッシュ その1」では、オイルフィニッシュとは何か、そして私がなぜこの仕上げを選ぶのかについて説明しました。
今回は、実際にギターへオイルフィニッシュを施工する際の工程を紹介します。
オイルフィニッシュは、一見すると「オイルを塗るだけ」の簡単な仕上げに見えます。しかし、実際には木材の研磨、オイルの入れ方、拭き取り、乾燥など、それぞれの工程が仕上がりを左右します。
ここでは、私がギター製作で行っている基本的な工程を紹介します。
基本的なオイルフィニッシュの工程
着色を行わない、基本的なオイルフィニッシュの流れです。
- 素地を研磨する
- オイルを塗布する
- オイルサンディングを行う
- 表面の余分なオイルを完全に拭き取る
- 2日以上乾燥させる
- 蜜蝋ワックスで仕上げる
それぞれの工程について説明します。
1. 素地を研磨する
最初に行うのが木材の研磨です。
研磨の目的は、木材に残っている加工傷や傷を消すことです。
私は基本的に240番程度を一つの目安にしていますが、木材の状態によっては800〜1000番程度まで仕上げることもあります。
「オイルフィニッシュは粗い番手で止めるべき」という説明もありますが、必ずしもそうとは限りません。木材の状態、使用するオイル、施工方法を考えながら必要なところまで研磨します。
2. オイルを塗布する
素地の研磨が終わったら、オイルを塗布します。
木材全体にオイルを馴染ませるように塗り込みます。
オイルフィニッシュでは、表面に厚くオイルを残して乾燥させることが目的ではありません。木材にオイルを馴染ませ、必要な量を浸透させることが重要です。
3. オイルサンディング
オイルを塗布した状態で耐水ペーパーを使って研磨します。これがオイルサンディングです。
基本的には400番程度から始め、600番、800番、1000番と番手を上げながら施工します。
オイルを潤滑剤として使用しながら研磨するため、木材表面を滑らかに仕上げることができます。
ただし、研磨材や木粉がオイルと混ざって木材表面を汚すことがあるため、必ず行う必要がある工程ではありません。
4. オイルサンディングを行わない方法
オイルサンディングによる汚れを避けたい場合は、素地研磨の段階で800番程度まで仕上げてからオイルを塗布する方法があります。
つまり、
- オイルサンディングを行う方法
- 素地を十分に研磨してからオイルを塗る方法
どちらも選択できます。
5. 表面のオイルを完全に拭き取る
オイルを塗り込んだ後は、表面に残った余分なオイルを完全に拭き取ります。
ここは非常に重要な工程です。
必要なオイルを木材に馴染ませたら、表面に残った余分なオイルはしっかりと取り除きます。
6. 乾燥させる
オイルを拭き取ったら、十分に乾燥させます。
私は2日以上を目安にしています。
乾燥時間は使用するオイル、気温、湿度、木材の状態によって変わります。
7. 蜜蝋ワックスで仕上げる
十分に乾燥したら、最後に蜜蝋ワックスで仕上げます。
手で磨き込み、余分なワックスを拭き取ります。
これで基本的なオイルフィニッシュの工程は完了です。
8. 着色する場合のオイルフィニッシュ
オイルフィニッシュは無着色で仕上げる必要はありません。
ステインによる着色を行う場合の基本的な流れは以下の通りです。
- 240番程度まで研磨
- ステインで着色
- 完全乾燥
- 400番で毛羽立ちを軽く処理
- オイルを塗り込む
- 乾燥
- 蜜蝋ワックスで仕上げ
9. 使用した布の自然発火について
乾性油を含んだ布やウエスは、酸化熱によって自然発火する危険があります。
必ず水に浸してから廃棄するなど、製品の説明に従って適切に処理してください。
まとめ
オイルフィニッシュは、単純にオイルを塗れば完成する仕上げではありません。
木材の状態を見ながら、研磨、オイル、拭き取り、乾燥、ワックスという工程を丁寧に行うことで、美しい仕上がりになります。